心房細動の検査
どんな検査を受ければよいの?
心房細動の検査には、「心房細動を見つけるための検査」と「心房細動の治療前に行う検査」の2種類があります。ここでは、それぞれどのような検査が行われるかをご紹介します。
心房細動を見つけるための検査
心房細動を見つけるための検査には、ご家庭でも行うことができる脈をとる検査(脈診)と、主に病院で行う心電図検査があります。
心房細動の治療前に行う検査
心房細動の治療を行う前に心臓の状態を詳しく調べるため、以下のような検査を行います。
検査① 脈の測定(脈診)
心房細動が起こっているときに、はっきりした自覚症状のない方もいらっしゃいます。心房細動が起こっている状態をキャッチするには、ご家庭でも定期的に脈をとること(脈診)を心がけて、少しでも異常を感じたら医療機関を受診することが大切です。
通常脈診は、脈をとりやすい手首で以下のように行います。
- 片側の手首を外側に回して、手のひらを上に向けます。
- 手首を少し上げた状態にして、手首のしわの辺りに薬指の先がくるようにし、人差し指、中指、薬指の3本を当てます。
- 手の親指の付け根、骨の内側などで脈が触れるところを見つけます。
- 15秒くらい脈をとり、脈の間隔が規則的かどうかを確認します。(1分間に50~100回が目安です)
- 脈が不規則であったり、脈をとりづらかったりする場合は、さらに1~2分脈診を続けてください。脈が不規則になっている場合は、早めに医師に相談することをおすすめします。
速すぎず、遅すぎず、規則的にリズムを刻む。じっとしているときの脈拍数は1分間50~100回が目安
(脈の打ち方)トン・トン・トン・トン
- 速い
-
頻脈という。安静時の脈拍数が1分間に100回以上。
不整脈のタイプは心房頻拍、上室頻拍などト・ト・ト・ト・ト・ト・ト・ト
- 遅い
-
徐脈という。安静時の脈拍数が1分間に50回以下。
洞不全症候群、房室ブロックなどトン・・・トン・・・トン・・・トン
- 飛ぶ
-
脈を打つタイミングがずれる。期外収縮、洞停止など
トン・ト・トン・トンなど
- 不規則
-
打ち方がバラバラで一貫していない。脈の打ち方が速い場合と遅い場合がある。心房細動
ト・トン・・トン・ト・ト・トンなど
検査② 心電図検査
不整脈が認められる場合は、心房細動が起こっているかどうかを確実に診断するために心電図検査が行われます。心電図検査とは、心臓に流れる電気信号を波形として記録する検査です。以下のようなものがあります。
12誘導心電図検査
病院で一般的に受ける心電図検査の1つです。両手両足、胸部6箇所の計10箇所に電極をつけて、心臓の電気活動を数分間記録します。検査中に心房細動が起きた場合は波形が不規則になります。
ホルター心電図検査
胸部にシール状の電極を数か所貼り、本体の装置を身に着け、24時間心電図を記録する検査方法です。記録終了後は装置の取り外しを行います。
パッチ型長期間心電図ホルター
近年24時間よりも長い7日以上の時間心電図が記録可能な長期間ホルター心電図検査が可能となりました。
心房細動は24時間ホルター検査では見つからない、発作が起こる頻度が少ない、短時間の発症の方も多くいらっしゃいます。
長時間の心電図記録が可能で稀にしか発作が起きない患者さんや短時間の心房細動の診断に役立ちます。
また、パッチ型で小型かつ耐水性能がありシャワーが可能なため、日常生活普段通り行えるタイプもあります。
心電図記録後は郵送での返却が可能で取り外しのための来院が必要ないことも特徴です。
イベント心電図検査
小型の心電図計を携帯して、不整脈やだるさなどの症状が起きたときに胸に装着して心電図を記録する検査です。まれにしか発作が起きない患者さんでも、的確な診断を行うのに役立ちます。
検査③ 心エコー検査(心臓超音波検査)
心エコー検査では、超音波を使って、心臓の形・大きさ・機能や血液の流れを調べます。
心エコー検査
プローブ(探触子)と呼ばれる超音波の発信と受信を行う機械を胸に押し当てたり、移動させたりしながら、心臓の様子を観察します。
経食道心エコー検査
超音波を発する細長い管を飲み込んで、心臓の裏から心臓の様子を観察します。心エコー検査よりも心臓に近い位置から超音波を当てることができるので、心房に血栓ができているかどうかなど、より詳しい心臓の様子を知ることができます。喉に麻酔をかけて行います。
検査④ 心臓CT検査
X線を用いて心臓の断層写真を撮影し、コンピューターで3D画像を合成して心臓の状態を調べます。アブレーション治療を行う前に、治療部位である肺静脈の形や大きさを調べるのに役立ちます。